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戦略フレームワーク:SWOT分析の正しい使い方


基本的な戦略フレームワークは、最近色々な本で紹介され、人口に膾炙するようになってきました。

それ自体は良いことなのですが、残念なことに、実際には使い方を誤っている、とまでは言わないまでも、適切といえない使い方をされている場合もあります。

このような戦略フレームワークは、正しく使えばかなりの効果を発揮します。この際に、「そんなの知っているよ」と思われても、復習してみましょう。

 

●SWOT分析とは:強み・弱み・機会・脅威

これは有名ですが、一応復習しておきましょう。

Strength(強み) 自社の強み

Weakness(弱み) 自社の弱み・課題

Opportunity(機会) 外部環境にあるチャンス

Threat(脅威) 外部環境にある自社にとって都合の悪いこと

の頭文字をとったものです。

ちなみに、SWATと誤記されることも冗談のようですが結構あります。SWATはSpecial Weapons And Tactics(米国の特殊火気戦術部隊、凶悪犯罪に対処する特殊部隊)です。

要は、外部環境(政治・経済、技術革新、人口動態)と、内部環境(自社の独自資源)を分析しながら戦略を考えましょう、というものです。

これは、当たり前のように見えますし、SWOT分析は実際「戦略策定ツール」(戦略を作る際に使われるツール)のように紹介されていることが多いです。

が………本当に「戦略を作る際に適したツール」でしょうか? ここでは、非難される、敵を作ることを覚悟で、一般常識にあえて異を唱えてみたいと思います。

 

●SWOT分析の決定的な弱点

SWOT分析を戦略ゼロから作る際に使うときには、致命的な弱点があります。弱点という言葉がお好みでなければ、致命的な使いにくさがあります。しかし、残念ながら、既存の戦略策定本やMBA戦略本でこの事実は指摘されていません。SWOT分析をまるで定番ツールでもあるかのように取り扱っています。

SWOT分析の弱点は、

強み 対 弱み
機会 対 脅威

と、「良いことと悪いこと」という2つに無理矢理分類することの難しさと、分類することの意味にあります

例えば、コンサルティング会社として、弊社ストラテジー&タクティクスと大手戦略系コンサルティング会社と比べてみましょう。

ストラテジー&タクティクスの強み弱みを考えると

強み

1)戦略・マーケティングに特化していること
2)戦術・実行段階まで見据えたコンサルティングをすること
3)英語対応ができること

弱み

1)小規模であること

などとなるでしょう。

さて、これらはそれぞれ本当でしょうか?

強みで、「戦略・マーケティングに特化していること」は、戦略・マーケティングは得意ですが、逆に他のことはできないということです。コスト削減やM&A、MBOなどのコンサルティングはできないということです。これは強みなのでしょうか? 弱みなのでしょうか?

英語対応ができること。これは、外資系企業のお客様にはいいかもしれませんが、英語を全く使わない企業にはどうでもいいことです。これは強みなのでしょうか? 弱みなのでしょうか?

小規模であることは、弱みのように思えます。ただ、弊社は社長が決断すれば、何でもそれが会社としての決断になりますから、スピードはあります。また、基本的には弊社代表のコンサルティングを受けられ、大手コンサルティングのような人によるバラツキがありませんので、コンサルタント間の品質管理の問題がありません。これは強みなのでしょうか? 弱みなのでしょうか?

既におわかりのとおり、「強み」「弱み」というのは単なる恣意的な解釈でしかなく、どんな戦略をとるのかによって全く異なります

大規模な仕事・顧客を志向する場合には、小規模であることは確かに弱みになります。しかし、スピード感を大事にする顧客にとっては、小規模であることは強みになります。つまり、顧客を誰とするかによって、強み・弱みは変わります。

さらに、強み・弱みというからには、何かと比較して強い・弱い、ということになります。つまり、競合の設定によって、強み・弱みは変わるのです。ストラテジー&タクティクスの「小規模・スピード」という強みは、競合を大手としたときには通用します。しかし、弊社と同じ規模の会社に対しては強みとはなりません。同規模の会社も同じ特徴を備えているからです。つまり、競合によっても強み・弱みは変わるのです。

これでは、分析自体の厳密性が全く担保されません。つまり、「どんな戦略がとりたいか」によって、ある特徴を強みと認識するか、弱みと認識するかが変わるのです。

どんな戦略を作るかを決めようとしているときに、強み・弱みの認識が戦略によって変わる、ということでは、「戦略を作る」際には使えません。それはご納得いただけるかと思います。

にも関わらず、ほとんどの戦略の本や研修などでは、SWOT分析は「戦略を作るときに有効なツール」と紹介されています。これは、SWOT分析の本質をとらえていません。

やったことがある方ならおわかりいただけますが、強み・弱み・機会・機会を眺めていても、戦略は出てきません。

というのも、戦略は基本的には「強みを活かす」ことだからです。さらに言えば、「持っているものの多寡にかかわらず、持っているものをフル活用して自分の欲しい結果を得ること」が戦略の目的です。

であれば、強み・弱みなどという恣意的な分類をせず、「今、これを持っている。これしか持っていないとも、こんなに持っているとも言わない。厳粛な事実として、今これを持っている。今もっているこれを最大限に活用して、最大の成果を得るためにはどうすればよいか」と問えばいいのです。

ことさらに強み・弱み、機会・脅威と恣意的に分類する意味はないのです。また、同じものでも、楽観主義者は全て強みに分類し、悲観主義者は弱みに分類することになります。これでは、分析の正確性・一貫性が著しく歪められます。このような分析は、有害ですらあります。

事実、SWOT分析をすると、「それは弱みじゃなくて強みじゃないのか」「それは機会よりもむしろ脅威ととらえるべきではないのか」という果てしない神学論争が起きます。しかも、そこに各事業部・各人の政治的利益が絡むと、

これは、このようなSWOT分析の特徴を踏まえずにSWOT分析をするからです。

●強み・弱みを単独で考えてはいけない!

強み・弱み、というのは競合に対しての、相対的な問題です。

マクドナルドの強みはなんでしょうか?

早いことですか? それは競合が吉野家の場合でもそう言えますか?

くつろげること? 吉野家よりはマクドナルドの方がくつろげるように思います。でも、ファミレスを競合とすると、そうは言えないのでは? ドリンクバーのあるファミレスのほうがくつろげますよね?

つまり、同じマクドナルドでも、競合を誰にするか、で強みが変わります。

ということは、OTはともかく、SW分析は、競合別に何枚も作る必要があります。そうでなければ、意味がありません。

さらに、顧客によっても変わります。マクドナルドの強みの一つは、ハッピーセットに代表される子供向けメニューです。でもこの強みは、ビジネスパーソンには効きませんよね?

ということは、SW分析は、顧客別にも行う必要があることになります。

つまり、強み・弱みを考えるときは、競合や顧客と切り離して考えてはいけないのです。

強み・弱み分析を競合別に、顧客別にやろう、と書いてあるSWOT分析の紹介本はほとんど無いと思います。つまり、ちまたの本は絶対的な強み・弱みがある、というあまり現実的でない前提に立っているのです。これは、SWOT分析の本にはあまり書いていないことです。

強み・弱みを考えるには、競合や顧客と一体的に考える必要があります。

さらに、競合別に、顧客別に強み・弱み分析をやろう、ということになると、大変面倒ですね。あまり現実的ではありません。

 

●SWOT分析をするタイミング

ただ、SWOT分析を全否定しているわけでもありません。多くのものの本に書いてある「戦略を作る際にはSWOT分析」という考えに異を唱えているわけで、分析手法そのものに異を唱えているわけではありません。

SWOT分析をするとすれば、他のツールを使って、戦略の仮説つまりは「こんな戦略がよいのではないか」と考えます。そこまでやってから、「この戦略を行うにあたって、我が社のこれは強みなのか弱みなのか」と考えるにあたっては、自社の持っている資源や、環境要因の影響についてモレなく考えるには良いと思います。

戦略を考えたで戦略を評価するのに使う、これが、SWOT分析が最も強みを発揮するタイミングなのです。戦略を考えれば、競合も顧客もある程度は決まっているはずですから、競合毎に、顧客毎に何枚もSW分析を作る、という必要は減るはずです。

繰り返します。SWOT分析は、戦略を作る際のツールとしては大変使いにくいのです。それを見ていても、戦略は出てきません。

 

●SWOT分析で何を分析すべきか?

SWOT分析は、

外部環境:機会・脅威
内部環境:強み・弱み

を分析します。

強み・弱みについては、自社のことだからわかりやすいでしょう。

しかし、「外部環境」とは何でしょうか? ものの本では、よく、「政治・経済」「法規制」「技術」などが外部環境の例としてあげられます。

しかし、本当に「政治経済」「法規制」「技術」などが、自社の経営戦略に大きな影響を与えるのでしょうか?

素晴らしいバイオの技術革新があったとします。しかし、弊社ストラテジー&タクティクス株式会社にはほとんど影響が無いでしょう。排気ガス規制がすさまじく強化されたとします。それも弊社には影響がないでしょう。そのような、自社に影響が無さそうな外部要因を分析することに意味はありません。ここにも、SWOT分析の使いにくさがあります。

では、何を外部要因として分析すればよいかというと、

・顧客
・競合

の2つに影響を与える要因です。逆に言えば、顧客にも競合にも全く影響を与えない外部要因は、分析しても意味がありません。 顧客が変わらなければ依然として買い続けてくれる(またはその逆)でしょうし、 競合が変わらなければ、競争構造に変化は無いのです。

つまり、分析すべき外部要因(機会・脅威)とは、「顧客」と「競合」なのです。そして、強み・弱みは「自社」のことです。すると、SWOT分析で分析すべき内容は、

1)顧客
2)競合
3)自社

の3つになります。その通り、これが3C(Customer, Competitor, Company)というフレームワークです

そうであれば、わざわざ「SWOT分析」などという特別な別の分析をしなくとも、3Cの3つの要素をきっちり分析すればそれで十分なのです。

さらに、こちらの3Cのページで解説しているように、3Cには、

1)Companyを「差別化」と「独自資源」の2つに分ける
2)「メッセージ」というチェックポイントを加える

という改良を行うと、3Cが極めて強力なフレームワークになります。

すると、結局は、SWOT分析にしても、3C分析にしても、

1)競合 (Battlefield)
2)自社の独自資源 (Asset)
3)自社の差別化 (Strength)
4)顧客 (Customer)
5)メッセージ (Selling Message)

をきっちり分析すれば十分なのです。これが、弊社代表佐藤義典が提唱する、戦略BASiCSという、「経営戦略の5つの要素」をまとめた統合フレームワークなのです。

SWOT分析を包含する使い勝手の良い戦略ツールが、ストラテジー&タクティクスが提唱する戦略ツール、戦略BASiCSです。

戦略BASiCSの詳細はこちらでご覧いただけます。

また、戦略BASiCSを300ページにわたって徹底的に解説したのが、弊社代表佐藤義典の著作、「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)です。

経営戦略立案シナリオの詳細は、こちらでご覧いただけます。

具体的なやり方は、拙著

「白いネコは何をくれた? 「言葉を話すネコ」ボロが教える
人生を変えるマーケティング戦略」 (本の詳細はこちら)

で説明させていただいています。よろしければどうぞ。小説形式で、強み、競合、顧客などを一体的に考えるマーケティング戦略(戦略BASiCS)がわかります。

さらに、ストラテジー&タクティクス株式会社では、このような戦略フレームワークの考え方を身につけ、実戦するサービスを提供しております。

研修形式で、社員に戦略構築力を身につけさせたい場合はこちらへ

ちなみに、上のパワーポイント画像は、弊社の研修で実際に使われているものです。

コンサルティング形式で、弊社代表の佐藤義典に戦略構築のアドバイスがほしい場合はこちらへ



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